ワンピース魂

オリジナルコーナー

第13節 決断(前編)

「ううぅ~~~っ!!グスッ・・・!!」
は泣きながら走っていた。
娘たちのヒドい言葉にではない。
あの後、飛び出したものの、今まで一緒にいてくれた事への礼を伝え忘れた事に気がつき引き返していたのだった。
そこで、娘2人の言葉を聞いた。
※麦わらの一味複数人は気配に気がついていた模様
彼女らの気持ちを踏みにじってでも、あの家に戻るべきだろうか。
本気で幸せになる事を願ってくれた彼女たちの気持ちに応えるべきではないだろうか。
様々な気持ちが駆け巡り、町をあてもなく走り回り、はいつの間にかいつも早朝にしか足を運ばない例の小高い丘に来ていた。
「はぁっ・・・はぁ・・・」
??「くそっ!ここはどこだ!あいつらまたはぐれやがって・・・」
「あ・・・ゾロさん?」
ゾ「おお。お前か」
「・・・本当によく迷子になる方なんですね」
ゾ「あ?誰がんな事言ったんだ。あいつらの説明が悪ィ」
「ふふ・・・そうなのかも知れませんね」
ゾ「・・で?」
「?」
ゾ「あの女たちの“覚悟”に応えるかどうか迷ってんのか」
「え?・・何で・・・」
ゾ「あんなあからさまに息殺したら余計不自然だ」
「あ・・・そういうモノなんですか・・・さすがですね」
ゾ「んなこたどうでもいい。あいつらとお前の今までの関係もオレはよく知らねェ」
「・・・はい」
ゾ「だけどあいつらの言葉からは本気で、遠慮とか責任感とかそういったモンはいらねェからお前の幸せを考えてほしいってのが感じ取れた」
「はい」
ゾ「後はてめェで考えればいいんじゃねェのか」
「・・・はい!!ありがとうございます!!」
ゾ「おお」
「あ、大変!!王様方にお会いする時間だわ!あの、ありがとうございました!お昼ご飯なんですよね?おそらく中心街に行かれたと思うのでこの道を真っ直ぐでたどり着けると思いますよ!!じゃ、失礼します!」
ゾ「・・・(くそ、誰だ。変なキャラ勝手に植えつけたのは)」

―王宮―
「はぁ、どうしよう、ものすごく緊張する・・・」
シリル「さん?!」
王、王妃、シリルがやってきた。
「はっ。皆様ご機嫌麗しゅう・・・」
シリル「立ってください。すみません、まさかいらっしゃるとは・・昨夜大変な事があったばかりですのでいらっしゃらないかと・・・使いをたてるべきでした、申し訳ない」
「とんでもない、あ・・・でも、私の事を・・・」
王「あれからすぐにそなたの事は調べさせてもらった。今までツラい思いをしてきたうえに昨夜の出来事、心痛察するにあまりある」
「もったいないお言葉です。あの、私・・・」
王妃「まぁ、そう慌てずに。私どもの気持ちは決まっております。そなたなら我がバルザック家にふさわしい人物と思っております。けれど、決断するのはそなたです。そして、私どもに伝える必要はありません。シリルと二人でお話なさい」
王「うむ、この後公務があるゆえ、私どもは失礼するよ」
王、王妃は去っていった。
シリル「さん、とりあえず座りましょう。そうかしこまっていられると話もできません(笑)」
「あ、はい、失礼致します」
シリル「さて、なにぶんさんには急な話だった事と思います。私に対する気持ちも決まっていないかも知れない。それでも・・・私はさんを妃に迎えたいと思っています。その気持ちはゆるぎません」
「はい・・・」
シリル「私と夫婦になる気持ちが少しでも今のところ候補にあるのかどうか。それだけでもお聞かせ願えないだろうか」
すっとシリルの目を真っ直ぐに見る
吸い込まれそうなその瞳を見つめながら、シリルはの言葉を待つ。
「シリル様、私・・・」

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