ナ「おじゃましまーーす・・・」
スーブー「あ、昨日の・・・」
ナ「あ・・・どうも。この度はご愁傷様でした・・・」
スーブー「ありがとうございます。昨日はご協力いただきましたのにご挨拶もせず、失礼いたしました」
ターブー「本当にありがとうございました」
ウ「(・・なんだ。まともに礼とか言えるのか)」
ナ「いえ・・・お力になれず・・・(叩いちゃったし)」
スーブー「・・・に会いにいらしたんですよね?」
ナ「あ、はい。いますか?」
ターブー「今着替えてます。今日お城に呼ばれているので・・・もう降りてくるかと思いますけど・・・」
ターブーが言い終わらないうちに階段を降りてくる足音が聞こえてきた。
サ「・・・・!!!」
シフォン素材の上品で派手すぎない、黒のワンピース。
おそらく喪に服しているため、黒なのだろう。
下はストッキングで隠れているが、スラリと伸びた手足が美しい。
「あれ、皆さん!いらしてくださったんですか」
サ「ちゃーん!!!めちゃくちゃ似合ってるよー」
「ありがとうございます。あの・・・スーブーお姉さまからお借りいたしまして・・・」
スーブー「汚い格好させる訳にいかないでしょ」
ル「おい!!!仲間にならねェか?!行こう!!おれ達、昼過ぎには出発するんだ!!」
ウ「また唐突に・・・」
「ルフィさん・・・」
ターブー「・・仲間?何の事?」
ロ「うちの船長がを勧誘してるの。これから一国のお姫様にならせられて幸せをつかもうとしている方を、ね」
ル「関係ねェよ。だってなァ・・・」
「・・・?」
ル「“何が幸せかは自分で決めるんだ”」
「・・・・・!!!!!!」
スーブー「幸せ・・・」
ターブー「・・とりあえずそろそろ時間だから行ったら?お待たせするわけには行かないでしょ。それと・・・」
スーブーとターブーは互いに目をみやり、一呼吸おいて続けた。
スーブー「金輪際家の敷居をまたがないでくれる?」
「・・・!!!」
ターブー「だってそうでしょう?元々血のつながりも何もないあなたをこの家に置いてあげていたのはお母様。そのお母様も亡くなった。あなたがこの家にいる理由なんてある?」
スーブー「荷物はまとめておいたから・・・って言ってもほとんど無かったけどね。そのワンピースは餞別にあげるわ。王家に入るにしろ、その人達の仲間になるにしろ、もぅ戻ってこないで。うちとはもう関係ないのだから」
「・・・に、荷物、まとめてくださってありがとうございました」
家を飛び出す。
ナ「っっ・・・!!あんたたち・・・どこまでっ・・」
サ「違う、ナミさん」
ナ「は? 何が違うって言うのよ!」
ロ「のため・・・」
ナ「?!」
娘達は落ち着き払っている。ドアに向けた視線は優しい。
スーブー「まだ、出火原因は不明となっています」
ターブー「でも、これから出頭しようと思っています」
ゾ「・・・」
スーブー「私たちはこれから放火と母親殺しの罪で裁かれるでしょう。幸い私たちとは血がつながっていない」
ナ「・・・」
ターブー「は犯罪者の一族にならずに済みます。元々ヒドい扱いを受けていたは同情される事はあっても裁かれる事はないでしょう。王家に入ったとしてもうまくやっていけるハズ」
スーブー「・・・みなさん、にこの事、言わないでいただけますでしょうか」
チョ「何でだ?はお前らの事、誤解したままになるぞ」
ターブー「誤解も何も、私たちがを虐げてきた事は事実です・・・火の中に閉じ込めようとした事も」
ブ「・・・」
ターブー「それでも!!・・・それでもはホントにお人好しでバカだから!私たちがこう決断したら、きっとお店や私たちを守ろうとここを離れない気がするんです」
スーブー「あのコに何も思い残す事無く幸せになって欲しい。もう少し早く気がつければ良かったのだけれど・・・これが私たちができる精一杯なんです」
サ「(似てるな・・・おれの時のアイツらの行動と)」
バラティエの仲間たちを思い、サンジは娘たちの気持ちを理解していた。
もう少し・・もう少し早く、この姉妹はその気持ちを持てなかったのだろうか。
だが、きっと誰よりもこの姉妹がその事を後悔しているハズ。
誰もが沈黙してしまった中、ロビンが口を開く。
ロ「わかったわ」
サ「・・・」
ル「おお。わかった。じゃ、行こう」
ウ「おい、お前ら・・・これで良いのか?」
ロ「彼女たちの気持ち、汲むべきでは無いと?」
ウ「い、いや・・・そうじゃねェけどよ」
ル「におれ達の気持ちは伝えたし。メシ食って船戻ってを待とう!」