ワンピース魂

オリジナルコーナー

第3節 契約

「お待たせしました。深海魚のエスカベーシュです」
ロ「・・・・・・・っっ!!!!!」
ナ「・・・ロビン?」
サ「ロビンちゃん?」
ロビンが声も出さずに料理を運んできたに釘付けになっている。
ロビンは自分より10は年下であろう女性に、亡き母、オルビアの面影を見ていた。
忘れるハズのない、1日も忘れた事のない母の美しい銀髪と同じ髪色の女性を、ロビンはただただ見つめていた。
その目にはうっすらと涙すら浮かべているように見える。
「お客様。お加減でも悪いのでしょうか。大丈夫ですか?」
ロ「っ!!・・・ごめんなさい。何でもないの。美味しそうね、ありがとう」
「はい、うちの看板メニューなんですよ。ぜひ召し上がってください!!(綺麗な方だけど、この方も少し変わってるかしら。でもみんな良い人そう)」
店主「!!グズグズしてないでさっさと次の料理作って運びな!!」
「ごめんなさい、おばさま」
ナ「おばさま?親族って事?何かちょっと態度が冷たいような・・・」
チョ「おれ、あのオバサン嫌いだ」
ウ「たしかにな。あの子、さっきから他のヤツの3倍くらいの手際の良さで働いてるぜ?言い過ぎだろ」
サ「うぅー、あんなに美しい女性を・・・でも店主の方も女性だし・・・うぅー。」
客1「しょうがねぇよ。あの子“契約”してる。多分あの店主とだ」
ナ「契約?お店で働いてるんだからそりゃそうでしょうけど・・・」
客2「違う違う。“契約者”だよ」
ウ「契約者?何か意味違うのか?」
客1「あんたらこの国はじめてだろ。この国にはさ、一生に一度だけ交わせる“契約”があるんだよ。大怪我をした時。片足がなくなっちまいそうになった時。腕がもげそうになった時。病気以外で体に大きな支障が出たり、死にそうになった時にこの国にいる魔女に頼むと“契約”を交わす事で助かる事ができるのさ」
ロ「魔女と契約というからには、代償のようなものがあるということかしら」
客1「代償なんてモンじゃねぇよ。自分の一生を契約した相手に捧げるんだ」
ウ「一生?」
客1「ああ。契約した相手の命令はどんな事でも聞く。どんな危機に陥っても身をていして助ける。相手が死ぬまで続く契約だ。奴隷と一緒だな」
チョ「何だよ・・それ」
サ「契約を結ぶ相手は選べねぇのか?その契約を結べる能力を持った魔女しかダメってことか」
客2「いや?魔女は契約を結ばせるだけだ。相手は選べるぜ。バングルの者は“契約者”、結んだ相手は“承諾者”って呼ばれてる」
ウ「じゃぁ何であんな・・・自分の親とか仲良い人とかを“承諾者”にしときゃいいんじゃねぇのか」
客2「そこがこの契約の恐ろしい所さ。自分と血のつながりがあるヤツは“承諾者”に選べねぇんだ」
ナ「でもさっきあのコ、おばさまって・・・」
客3「ちゃんの話をしてるのかい?○○○ちゃんとここの店主は叔母と姪の関係だよ」
ナ「え・・でも肉親は・・・」
客3「ちゃんのお父さんの妹があの店主なんだけどね。ちゃんのお父さんのお父さんが再婚だったみたいでさ、新しい母親が連れ子として店主を連れてきて、妹になったもんだから血が繋がってないのさ。それでも全くの他人と契約するよりはマシだと思ったんだろうよ。ちゃんがまだ小さい時に事故で死にかけた時、両親がすがったそうだよ。」
ナ「ご両親はこの状態でも仕方ないって思っているって事?」
客3「ちゃんの両親は5年前に事故で死んじまったよ。誰かと契約を結ぶ時間すら無かった」
ナミ「そんな・・・」
客1「彼女の両腕のバングル、あれが“契約者”の証だ。承諾者が死なない限り外れることはない。命令に背く事もできないようになっているんだ」
ウ「自分の命とひきかえに自分の一生を捧げるってことか・・・」
チョ「可愛そうだな・・・」
ル「変なヤツだな。イヤなら出ていきゃいいんじゃねぇか?」
ナ「話を聞いてたの?背く事は出来ないってあれほど・・・」
「あの・・・」
ナ「あ・・・」
「お声が大きいので聞こえています。おばさまは確かに厳しい方ですけれど、私のためを思って厳しく育ててくださっています。私には特に不満はありませんよ」
チョ「そっかー。ならいいんだ♪、イイ奴だったから心配したんだ」
「・・・ありがとう(にこっ)」
「そうそう、今夜は王子様がお妃様をお選びになるため、城でパーティが開かれるんです。さまざまな要人や、おきれいな方々、素晴らしいごちそうなども用意されるようですし、お時間があったら行かれてみてはいかがですか?」
ル「ごちそう??!!!」
サ「おきれいな方々??!!!」
チョ「も行くのかー?」
「いえ、私は・・・では、ごゆっくり」
は仕事に戻っていった。その後ろ姿を見つめていたロビン。
ロ「・・・さて、そろそろ出ましょうか」
ナ「そうね、このまま際限無く食べ続けられてもね。ロビン、ちょっとショッピングにでも行く?」
ロ「ええ、いいわね」
サ「ご一緒しましょう、プリンセスたち」
チョ「オレらは買い出しだろ、サンジ」
ウ「おれ達は帰るか。おい、ルフィ行くぞ」
ル「え?もう終わりか?まー夜たくさん食えるからいいか」
サ「行く気だよ・・・3億の賞金首なんて入れてくれんのか・・・」
や店主は休憩に入ったのだろうか、店内に姿は見当たらない。
一行は会計を済ませ、それぞれの用事を済ませるため外へ出た。

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