ワンピース魂

オリジナルコーナー

第4節 能力者

・・・ドカッ!!
店の裏手から何かが壊れる音がする。
ウ「何だ?」
裏手に回ろうとしたウソップが行きかけて、途中で立ち止まる。
ナ「何よ、ウソップ。何だったの、今の音」
ウ「・・・・・」
店の裏手では・・・が木箱に突っ込み倒れていた。
店主「何なんだい。今日の客は。あんたの知り合いなんだろ?あんな大声で私の悪口を言わせて、日頃の憂さ晴らしのつもりかい?!」
「いえ、そんなつもりでは・・・今日お会いしたばかりの方々です」
店主「ふん、どうだか。あんたの命を救ってやったのは誰だと思ってんだい。しかもこうやって働く場まで与えてあげて。もっとヒドい生活をさせる事だってできるんだよ?」
「おばさまにはいつも感謝しています。本当です」
店主「もういいよ!接客する以外じゃニコリともしない、本当に感じの悪いコだね。わかってるだろうけど、この後店の掃除、終わったら家の掃除と娘2人のドレスが出来上がってるだろうから取りに行って2人の着付け、家事と明日の仕込み全て終わらせておくんだよ!あ、電気が勿体無いから電気つけながらやるんじゃないよ」
「はい、わかりました」
グイッ。店主がの顔を自分の方に向ける。
店主「本当に年々あの2人に似てきて頭にくる。必死に頭下げてきて、契約を結んでくれなんて言ってさ。結局自分たちの方が先におっ死んじまってあんたを私に押し付ける。本当にろくでもない親だったよ、あんたの両親は。そんな両親に似たあんたもろくでもない生き方しか出来ないんだろうね。特に母親はどこから来たのかもわからない。派手な顔立ちだったからね、昔何をしていたんだか」
「・・・・・・」
両親の話をされた時、わずかにの顔が歪んだ。
店主「何だい、その顔は」
「いえ・・・ごめんなさい」
ル「・・・・・・」
スタスタスタ。
ナ「・・・!!ちょっと!!ルフィ!?」
ル「ゴムゴムのぉー・・・・」
ウ「い゛ぃ゛っっ!!??」
チョ「普通の人間相手にやったら死んじまうぞ!!」
サ「女性だぞ、ルフィ!!」
↑ルフィにはあまり関係ない。
店主「ん?何だい、うわっ!!」
ル「・・めちゃくちゃ加減した、ピストルッ!!!」
全「・・・・・!!!」(それでも技出すなよ!!)
サンジが受け止めようとした瞬間。
・・・ルフィ達の目の前には、土。
店主とルフィの間に土が盛り上がり、ゴムゴムの(めちゃくちゃ加減した)ピストルを弾き返していた。
土がバラバラと元の土に戻っていく。姿を現したのは・・・
ナ「・・・能力者!?」
サ「土を操った・・・」
ル「何だ、おまえ、邪魔すんな!!」
ウ「(いや、そのコのためにやったんじゃねぇのかよ)」
「おばさまに何をなさるんですか!」
ロ「ルフィ、無駄よ。承諾者がどんな危機に陥っても身をていして助ける。を傷つけるだけだわ」
ル「ぐぬーーーっっ!!!」
「おばさま、大丈夫ですか」
店主「触るんじゃないよ!!悪魔の実だか何だか知らないけど、土だなんて汚らしい!!あんたにピッタリだね!さっさと言われた事をやりな!!」
店主は去っていった。もそのまま立ち去ろうとする。
ル「おい!!お前なぁ!!」
ルフィがの腕をつかむ。
全員が気がつく。の白い腕には傷や痣がそこかしこにある。
日頃どういう扱いを受けているか、容易に判断できる腕だった。
ナミが歯をくいしばる。
サンジは下を向きながらタバコを吸っており、表情をうかがい知る事は出来ない。
全「・・・・・・」
「あなたも能力者なんですね」
ル「お?・・・おお。おれはルフィ!ゴムゴムの実のゴム人間だ」
「そうですか。私はツチツチの実を食べました。ルフィさん、おばさまは大切な方です。二度とさっきのような事はなさらないでください」
サ「その感情は本心からなのか?それとも契約によるものなのかい?」
「本心です。おばさま方に手を出す方はどなたであっても許しません」
ル「大切な人の悪口を言われてもか!!」
ピクッ。踵を返したの背中が一瞬小さく揺れた。
ル「おれには全然わからねぇ!!お前、おかしいんじゃねぇのか!」
ウ「ルフィ、言い過ぎだ!」
ナ「そうよ。契約してるんだから心すらも従うようになっているのかも知れない。私達が口をはさめる問題じゃないわ」
ル「うるせぇ!!その腕輪ぶっ壊してやる!!」
サ「だから何でお前はそう・・・」
すっ。が腕を出してきた。
「無駄ですよ」
全「「「?」」」
「目に見えてはいますが、いわば透明の枷のようなもの。物理的な力を加えて外せるという代物ではないんです」
「・・・おばさまを傷つけるような行為はやめてください」
再び歩き出す
「でも・・・ありがとう」
消え入りそうな声で述べた言葉。
全員が納得のいかないモヤモヤとした気持ちを抱え、その場に立ち尽くしていた。

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